職員としての心構え、対応の仕方

職員としての心構え、対応の仕方
  • 08月23日
  • 2024年

職員としての心構え、対応の仕方

日本語学校の事務職員には、様々な国籍の職員がいることが多いです。

日本人、在籍している学生の言語に対応できる職員などです。例えば、中国の学生が在籍している場合は、中国人または中国語ができる日本人の職員が必要です。

「事務の業務内容」のページでお伝えした通り、事務職員は日本語教育以外のすべてに関わる日本での親のような存在です。自分の言語を話せたり、その国に行ったことがあってよく知っている職員がいることは学生にとって大きな安心につながります。

ただし、同じ国の学生をサポート(例えば中国籍の職員が中国籍の学生をサポート)する場合は、十分に気をつけてください。学生たちは自分のことをわかってくれて、信頼できる存在として頼ってきます。

時には無理難題を言ってくることもあります。そして学生の要望に沿えないと、学生は同じ国出身なのに裏切者だと感じることもあり、関係が悪くなることもあります。学生の要望と学校の決まりの間に挟まれ、難しさを感じるかもしれません。

同じ国の出身だと、つい学生の気持ちになってしまい、学生を優先しすぎる傾向があります。あまりにも学生の気持ちに寄り添いすぎて、優先してしまうと、不公平が生まれ、学校がスムーズに進まなくなります。

上手に学生の気持ちを汲みつつ、学校のルールに沿って円滑に進められるスキルが求められます。

通訳について

学生と講師、学生と公共機関の間に入って通訳をすることも大事な業務です。通訳をするうえで最も大切なことは、学生が言ったこと、講師が言ったことを私情を挟まずそのまま通訳することです。余計な情報や自身の気持ちを含める必要はありません。

そして、なるべく簡潔に明確に通訳することです。よくあるのが、学生が通訳者に対してあれこれいろいろと話し出して、そのまま学生と通訳者のみで会話を続けてしまうことです。対応している言語のわからない講師としては非常に困ります。

もし学生が自分に対して話し始めて止まらないようでしたら、一度遮って状況を講師に説明するなど、うまくコントロールする必要があります。完璧に通訳できればなおよいのですが、なかなか難しいのも現状です。学生と相手の間に誤解が生まれないよう不明な点はしっかり確認し、簡潔明確な通訳を心がけましょう。

保証人について

よく学生に頼まれることが「保証人になってほしい」ということです。特に同国出身の場合は頼まれることが多いと思います。ほとんどの学校では学生の保証人になることを禁止しているはずです。

日本の制度で外国人に対して日本在住の親族や日本人などの保証人を求めるケースがあります。その際に身寄りが日本にいない場合に学校の同国の事務職員を頼ってきます。当国出身であればもちろん助けたい気持ちが大きいとは思いますが、保証人にはならないようにしましょう。いくら同国出身でも大変なことに巻き込まれてしまう可能性もあります。十分気をつけてください。

様々な面で気を遣わなければならない点が多いですが、学生には学校は敵ではなく、学生をサポートする一番の見方であるという事をわかってもらえるように、頼ってもらえるように、また何かがあった時にすぐに対応できるように学生と良い信頼関係を築いておくことが大切です。

日本人の場合、ご自身が留学経験を逆の立場で思い返してみてください。外国人の場合は学生の大先輩です。日本での経験を最大限に活かして学生サポートをしていただきたいです。

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